パニック障害を自力で克服した経験をもつリーコです。
今回は「広場恐怖」の克服の話です。
パニック障害の方のほとんどがこの「広場恐怖」を経験しているのではないでしょうか。これ、なかなかに厄介ですよね。
- 外に出られない
- 電車に乗れない
- 人混みや閉所に居られない
などなど、生活にかなり支障がでます。
このとき体に何が起きているのかというと、「また発作が起きるかもしれない」という恐怖心から強い緊張状態になってしまっているのです。
買い物に行くことさえ難しく、人との交流が減ったりもするので余計にふさぎ込んでしまうという悪循環になることも。
私が行った克服法をお話ししておくと簡単に言えば、広場恐怖を引き起こす場所にあえて身を置き身体に慣れさせる。いわゆる「曝露療法」というものです。
でも私がお伝えしたいのはこのことではありません。
曝露療法をしてみよう、で簡単にできたら苦労はないですよね。強引にでも外に出られないから困るわけで。
私がお伝えしたいのは克服に必要な心得があるということです。
Contents
克服に必要な心得とは?
個人的には強い恐怖心を持ったまま行動するのはリスクがあると思っています。
そこで必要になってくるのが、
「恐怖心を和らげること」です。
⓵恐怖心を和らげる
↓
⓶発作を起こさず外出できる
↓
⓷自信がつき克服に至る
この流れが広場恐怖の克服への道です。でもこの「⓵恐怖心を和らげる」が一番重要でもあり難しくもあるんですよね。
ここで本題に入ります。恐怖心をやわらげ広場恐怖を克服するために心得るべき2つのポイント。それがこちら。
- 発作を起こさないようにするのではなく、起きてもいいやという心構えをつくる
- 安心材料をつくっておく
どういうことかみていきましょう。
発作を起こさないようにするのではなく、起きてもいいやという心構えをつくる
いざ外に出てみようと考えた時に想像するだけで息切れしていた私。その時はとにかくどうやって発作を起こさないようにするか、ということに注力していました。
でもそうやって考えても緊張して息切れするばかり・・・。でも外に出ないと克服できそうもない・・・。
そうしてあれこれ葛藤し考え疲れた先にたどり着いた答えが「完璧に発作を起こさせないのは無理だ。だったら発作が起きることを許容しよう。」これが大きな機転となりました。
そもそも「絶対起こさせない」というのは難しいですよね。
人ってうまくやろうとすればするほど緊張してしまうものです。だから「発作が起きることを許す」。
これで私は「発作が起きたらどうしよう」という「恐怖」から抜け出せたのです。
大げさかもしれませんが自分の中で大改革が起きた感覚でした。
発作が出ることは仕方ない。考えるべきはその時にどうするか、準備できることはあるか、といったことだと思います。それが結果的に発作を予防するのです。
でも発作が出てもいいと思えるようにするなんて難しいって思いますよね。そこで役立つのが自己暗示です。
詳しくはこちらの記事に載せてます↓

安心材料をつくっておく
自己暗示ができてもやはり無防備で外出するのは不安が残るものです。
そこで用意するのが安心材料です。これを用意しておくことで「大丈夫」という気持ちが確かなものに変わります。
ここで私が実際に用意していた安心材料5つを紹介します!
飲み物・薬を携帯する
外出時には冷たい飲み物を携帯することをオススメします。
・のどが渇いたとき
・暑いとき
・症状から意識をずらしたいとき
などに役立ちます。
のどの渇きや暑さなどの不快な生理現象は心を不安定にさせます。それを少しでもなくすために私にとっては必須アイテムでした。
なんだか落ち着かないという時にも一口飲めば少し落ち着く感覚がありました。気分転換にも使えますね。
次に薬ですが、私は飲んでいませんでしたがはじめて発作を起こしたときに駆け込んだ内科で処方されたお薬があったので一応バッグに入れていました。
飲むつもりはありませんでしたが本当にどうしても!という時のためにお守りとして持っていました。
それだけでも気持ちが楽になりました。
メッセージを書いたメモを携帯する
発作が起きた時に何が心配かというと周りの人の反応もその一つ。
驚かれて救急車を呼ばれてしまってはおおごとになって困ります。
でも発作中はとても話せる状況にはありません。
そこで役立つと考えたのがメッセージメモです。
これはパニック障害による発作です
少し休めばおさまります
救急車は呼ばないでください
こういった旨を書いておけば周囲に伝わるでしょう。バッグに入れておくだけでは気づかれないので予兆がきたら手に持つといいですね。
ちなみに最近では「ヘルプマーク」というものがあるのでそちらを利用するのもいいですね。
また、私の場合、発作後も呼吸が整わずうまく話せないので会話用にメモ帳とペンを携帯していました。
これで最低限のコミュニケーションはとれるはずです。
目的地に頼れる人を
もし近くに頼れる人がいるのであれば協力してもらうのも手です。
一緒に散歩することから始めるのがオススメですが、次のステップとして目的地で待っていてもらうのもよいですよ。
隣駅で待っていてもらえば一人で電車に乗るリハビリにもなります。
メリットはその人が待っていると思うと前向きに行動でき、その目的地まで頑張ればなんとかなるという安心感が生まれることです。
ちなみに「頼れる人」というのはこの場合
- ・気を遣わなくてよい人
- ・自分に寄り添ってくれる人
- ・万が一発作が起きたときの対応を分かってくれている人
です。
発作時の対応はあらかじめこちらから要望を伝えておくといいですね。
人の助けは大きな力になります。協力してもらって申し訳ないとは思わないでください。
協力してもらったら心からの「ありがとう」の気持ちを伝えましょう♪
いざという時の楽な姿勢を覚えておく
いざという時というのは言わずもがな発作が起きたとき、起きそうなとき、ですね。
そんな時に「どうしよう」と慌てなくて済むように呼吸がラクになる姿勢を知っておくことも安心材料になります。
呼吸がラクになる姿勢は2通り
- うつぶせ寝
- 椅子に座って顔が膝に近づくくらい前かがみになる(太ももにひじを乗せて固定するとよい)
です。
いずれも自然と腹式呼吸になる態勢です。
一度練習しておくといいですね。


イメージトレーニングをする
私は小さい頃から人前でパフォーマンスする機会が多くありました。本番ではある程度の緊張はあってよいのですが、緊張しすぎると力を発揮できません。
そこで普段から心がけていたのがたくさん練習して自信をつけることと、イメージトレーニングでした。
うまくいく自分を何度もイメージトレーニングすることで本番でも落ち着いて良いパフォーマンスができることが増えました。
そこで広場恐怖の克服でもこのイメージトレーニングは大いに役立つと思い実践してみました。
その結果、緊張しすぎずに行動できたり、いざという時がきても怖くないと思える「安心材料」になってくれました。つまりは効果ありでした。
具体的に何をイメージすればよいのかというと
⓵いい感じで外出している様子
⓶万が一、具合が悪くなった時の自分の行動
この2つです。
⓵いい感じで外出している様子
これは玄関を出るところから自分が見るであろう景色をイメージしていきます。階段を下りてこの建物の横を通って、あそこにはベンチがあるから疲れたら休んで、という感じです。
そしてそのとき自分の調子が「いい感じ」であることをイメージするのも大切です。
ただしイメージトレーニングに固執しすぎて緊張してしまうのでは逆効果なので、軽く確認していく気持ちでイメージするのがよいと思います。
イメージトレーニングと行動に移すこととのバランスをうまくとれるとよいですね。
⓶万が一、具合が悪くなった時の自分の行動
避難訓練と似たようなもので、いざという時の自分の行動を確認しておきましょう。そうすることで落ち着いて行動できたり、「どうしよう」という不安が減ります。
例えば
・飲み物をのむ
・アロマを携帯していたら嗅ぐ
・近くに座るところがあれば座って前かがみの姿勢をとる
・その場にしゃがみこんだ場合はメッセージメモやヘルプマークを手に持つ
等々ができると思います。自分だったらこうする、というパターンをイメージしましょう。
広場恐怖の克服まとめ~最後に伝えたいこと~
【2つの重要な心得】
- 発作を起こさないようにするのではなく、起きてもいいやという心構えをつくる
- 安心材料をつくっておく
これらは私自身が本当に力になったことなのでここに書かせていただきました。一つでもやってみようということがあれば是非実践されてみてください。
最後に。いざ外出してみよう、というあなたに伝えたいのは「あまり気負わないでね」ということです。
「よーし、いくぞ!」と気合をいれなくてもいいんです。「ちょっと外の空気でも吸うか~」「家の前の階段は何段あったかな~」「日光を浴びたら気持ちいいかな~」とちょっと外の様子を確認しに行ってみるくらいの気持ちでいいんです。
他にも「美味しいパン屋さんのパンをゲットする」「きれいな紅葉の葉を拾ってくる」など楽しみな目的をもつのもオススメです。
そしてうまくいかない日があってもいいんです。大切なのは諦めないこと。
大丈夫、繰り返し訓練すれば体はちゃんと慣れてくれます。
広場恐怖って本当に厄介ですが克服できるものなので諦めずにいきましょ!!(^^)
広場恐怖って厄介ですよね。
でも思い出してみた。
以前はその場所にいても何とも思わなかったし、何も起こらなかったことを。
その場所=必ず発作が起こる場所ではないんですよね。
なんともなかった時の自分を思い出してみよう。そして少しずつ小さな一歩を踏み出してみよう😌🌱#パニック障害
— リーコ@パニック障害は克服できる! (@ri_ko2222v) July 20, 2020
パニック障害になって、
あれもこれもできなくなったと思ってた自分へ。できなくなったんじゃないよ。
今はちょっと苦手になってるだけ。
苦手なだけだから、
やろうと思えばやれる可能性が秘められてるんだよ。勇気を出して小さな小さなハードルから始めてみよう🌱#パニック障害
— リーコ@パニック障害は克服できる! (@ri_ko2222v) August 17, 2020